首相、危うい「県外固執」 腹案は「徳之島」 米側、難色示す可能性(産経新聞)

 米軍普天間飛行場の移設先について「ゼロベース」とだけ語り、自らの意向を示さなかった鳩山由紀夫首相の腹案「徳之島案」が明らかになった。月内の政府方針とりまとめに向け、自らが語った「県外移設」が必要不可欠と判断したようだ。ただ、現行案を唯一実現可能とする米国は軟化の兆しをみせておらず、「県外固執」は、解決を長期化させる危険性もある。(尾崎良樹)

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 ◆「余裕がある」

 「政権交代直後は鳩山首相を満足させる有力な移設案はなく、官邸側は頭を抱えていた。だが、最近の首相には余裕がある」

 首相側近の一人は、鹿児島県・徳之島が対米交渉の際の有力案になるとした上で、首相の心境をこう解説する。首相が昨年夏の衆院選で沖縄県外への移設を期待させる発言をした経緯があり、昨年末までの問題決着を先送りさせてまでこだわった有力な「県外移設案」をようやく見つけることができたためだという。

 政府内では米軍キャンプ・シュワブ(沖縄県名護市)陸上案以外にも、米軍ホワイトビーチと津堅(つけん)島の間を埋め立てる案などがある。だが、いずれも「県内」となるため首相発言と合わず、民主党内には「政府案として県外案を示せなければ、沖縄県民からそっぽを向かれる」(中堅)との危機感が強かった。

 「徳之島案」は首相の発言と合致する上、県外移設を望む社民党の理解が得られやすい点がメリットだ。官邸側はシュワブ陸上案などを含めた複数案を与党党首級で構成する基本政策閣僚委員会に提示し、最終判断は連立与党の調整に委ねるとともに、対米交渉に乗り出す構えだ。

 首相周辺は、徳之島移転案で自衛隊と米軍の共同使用も探っている。徳之島が過去に自衛隊誘致を試みた経緯があるためだ。

 鹿児島県の伊藤祐一郎知事は、民主党の小沢一郎幹事長の自治相時代の大臣秘書官を務めたこともあり、地元との本格交渉に入りやすいとの判断もありそうだ。経済振興策をセットにすることで地元の理解を得ていく方針だ。

 ◆判断分かれる政府

 だが、地元の理解が進んだとしても、米政府はシュワブ沿岸部に移設する現行案が「最善」との姿勢を崩しておらず、対米交渉の先行きは見通せない。徳之島は沖縄本島から北へ約200キロと距離的には比較的近いものの、「県外」移設となることに米側が難色を示してくる可能性があるためだ。

 政府は移設問題をめぐって近く平野博文官房長官、岡田克也外相、北沢俊美防衛相らが会談し、今後の対応を協議する。だが、移設先をめぐる政府内の判断は分かれており、首相がこだわる県外移設を実現できるかは、首相自身の指導力にかかっている。

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